古民家について

今回の温泉棟新築では、古民家を男湯と女湯で2棟を解体し利用致しました。

しかし実際には法令及び構造上また温泉浴場という湿度の高い特殊な用途上の制約があり、
形の面白い骨組みだけを再生利用し、主要構造及び屋根 内外仕上材等は全くの新築と致しました。
したがって厳密に言えば古民家再生とは言えませんが、そのあたりは大目に見ていただければ幸いです。
完成時には雪国に建つ古民家のダイナミックな構造美を充分にお楽しみいただけると思います。


男湯に使用した古民家は168年も前の1844年、江戸時代 のものです。 
明治が始まる24年も前に糸魚川 雨飾山麓の豪雪地帯に建てられたものです。
太く大きな曲がりくねった根曲がり梁と「うちのり作り」という伝統の工法が特徴です。
太い貫が太い柱を貫いてがっしりと地震にも耐えてきました。

女湯に使用した古民家は少し新しく100年ほど前のものです。
大きな根曲がりの梁は同じですが「長押作り」という少し繊細な様式です。